WEBからのファンドレイジングに必須。ランディングページとは?
「寄付を募るためにWEBでキャンペーンを打ったけど、反応が良くなかった」
「Facebookで広告を出してみたけど、数万円かけてCVが0件だった」
といったご相談をいただいたことがあります。
WEBサイトに1ヶ月に10,000セッション以上のアクセスがあっても、数件の寄付しか集まっていなかったケースもありました。
詳しく話を聞いてみると、寄付の誘導先として団体のホームページのTopページや寄付の手続き方法を記載したページに誘導していたようでした。
WEBからの新規寄付獲得を伸ばしたいという団体に私がコンサルティングをさせてもらう時、ほとんどの場合取り組むのが、ランディングページ(LP)の制作です。
ファンドレイジングにおけるLPとは、寄付を募るため専用に作られた、1枚もののページのこと。
団体が取り組んでいる社会課題や事業内容、支援の依頼や寄付の使途まで記載して、「この1ページを読めば、今まで団体を知らなかった人でも、寄付という行動を起こしてもらえる」という内容になるよう設計します。
たとえば私がお手伝いしている団体では、子ども達の教育へ寄付を募るためにLPを活用していますが、LPをテスト・改善しながら月間200件以上など新規寄付者の獲得数を増やすことができました。
LPを訪問したユーザーが仮に10,000人いたとします。
そのうち100人が寄付を申し込んでくれた場合、100人÷10,000人=1%が「コンバージョン率」。LPをみたうち1%のユーザーが寄付を申し込んでくれるという計算です。
この数値を高めていくために、PDCAを回していきます。
きちんとしたセオリーにもとづいてLPを制作し、A/Bテストなどによってコンバージョン率を高めていくのが、WEBを活用したファンドレイジングの王道と言えるでしょう。
「縦長のLPが、コンバージョン率が高い」テストで証明されてきた事実
なぜLPが必要なのでしょうか?
はじめにビジネスの世界では、インターネットでモノを販売するのに効果的な方法と、数々のテストによって証明されてきたからです。
あなたもネット広告をクリックしたとき、ひたすら縦に長いページを訪れたことがあるかもしれません。商材にもよりますが、このように「縦長の1枚モノのページがコンバージョン率が高い」とECの歴史のなかで結果が出てきました。
これは「寄付」の世界でも同様です。
国際協力NGOなどオンラインでの寄付獲得を効果的に行なっている団体は、必ずといってよいほど、広告の遷移先として専用のLPを必ず用意しています。
あなたが個人として寄付を検討したことがあるなら、「どの活動に寄付すればよいのか迷って結局やめた」「活動の詳細や税制優遇など手続き面について調べるにあたっていくつかのページにいかなくてはいけなくて、面倒でやめた」という経験はないでしょうか?
私が手がけてきたなかでも、LPを用意する時間がなくて通常のページを遷移先としたところ、広告のCPA(=費用対効果を図る指標)が目標の2倍近くになってしまったこともありました。
もちろん、新聞やテレビでの報道や、報告会などリアルの場で活動について十分に理解・共感した方にとって、WEBの情報をほとんど見なくても、申し込みフォームまで進んでくれることもあるでしょう。
しかしWEBで初めて活動に出会った方が、心が動かされたその瞬間に寄付まで至ってもらうためには、共感から行動までの落とし込みが必須です。
複数の事業を展開していたり、プロジェクト別の支援メニューを用意したりしている団体も多いでしょう。
だからこそ、寄付を検討している方に迷わせないため、1つのテーマに絞って寄付を募り、1ページで検討するにあたって必要な情報を1ページに完結させて、できるだけ短いページの遷移で寄付まで至るようにできるのが、オンラインでの寄付を増やすために重要なポイントです。
そのためには、LPという手段が有効なのです。
コンバージョンがどんどん獲れる、LPの“鉄板”ストーリー
では、このLPを具体的にどうやって作ればよいのでしょうか?
NPOにありがちなのが、「うちの団体は、こんな活動をやってます」という事業内容を前面に押し出してしまうパターンです。
何も知らない方にとっては、事業内容だけを詳しく訴えられても、共感するのはなかなか難しいかもしれません。
LPを見る方に先に伝えるべきは、「困っている人がいる」こと、つまり団体が取り組んでいる社会課題です。
国際協力NGOや国内NPO、災害救助団体など、あらゆるLPを見てきたが、共通するのは課題→解決策→成果というパターンです。
そのような流れのなかで、私がLPを設計するときには、3つのポイントを意識しています。
1つ目は、社会課題を解説するなかで、寄付者の心を揺さぶることです。
「どんな切り口から話し始めたら、ピンときてもらいやすいか?」
「『かわいそう』や共感、怒りなどどのような感情を喚起すればよいか?」
「どのようなエピソードが、心を打つか?」
などを、支援者のインサイトを踏まえて、徹底的に検討します。
2つ目は、団体のアプローチが共感をしてもらえるようにすることです。
いくら課題が解決の必要性があると共感してもらっても、同じような課題に取り組む団体は、他にもあるはずです。
そのなかで、あなたの団体を選んでもらうためには、何が差別化ポイントになるのでしょうか?「
課題と解決策の整合性をピンとくるように説明できるか?」
「活動に取り組む想いに共感してもらえるか?」
「団体の活動によってハッピーになっている人がいることを、イメージしてもらえるか?」
などに留意して、メッセージを組み立てていきます。
3つ目は、申し込みにあたっての不安要素をどれだけ消せるか?です。
初めての団体にお金を出すというのは、ハードルが高い。支援をしようかと思った方でも、「立派なことを言っていても、実際のところはどうなのだ?」「お金を公正に使っているか心配だ。」と言った不安がよぎるものです。
そんな疑問や不安に応えるために、どんな団体で、誰が働いていて、周りからはどのように見られているいるのか?を「見える化」します。
第三者からの推薦や公的機関からの評価などを載せるのも有効です。
紙幅の関係上、それぞれの要素について詳しくは説明できないのが残念ですが、私がコンサルティングで使っているひな型を載せました。
「このすべてを含むべき」というのではなく、あくまでストーリーの例ですが、もしあなたの団体でLPを活用しているならば、構成を比較してみると気づきがあるかもしれません。
これからLPを作るという方には、1つのパターンとしてもしよければ参考にしてみてください。