社会貢献できる仕事一覧・参考事例

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「社会貢献できる仕事がしたい」という大学生や若手社会人の方に多くお会いします。 もちろん、全ての仕事は誰かのニーズを満たしたり、企業が納税したりなど、社会貢献と言えます。 その中でも、社会課題を解決する、一般企業のサービスから取りこぼされる人々や分野の事業をするなど、特に社会貢献度が高く、やりがいを見出しやすい仕事があります。 いくつかの仕事を経験した者としての視点も入れつつ、大まかな方向性を一覧にしてみましたので、参考にしてください。

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目次

社会貢献度の高い、やりがいのある仕事一覧

「社会貢献できる仕事に就きたい」「社会貢献度の高い企業で働きたい」という方からの相談を多くお受けします。
特に、SDGs(持続可能な開発目標)というワードが一般的になり、これまで以上に社会貢献に関心を持つきっかけが増えているのではないでしょうか。

出典:en転職 第76回アンケート集計結果「「仕事を通じた社会貢献」について」

上記のデータからも、9割以上の人が仕事を通じた社会貢献への関心を持っている、しかも半数以上が大いに関心を持っているということが分かります。

一方で、どんな仕事があるかについてはあまり情報が広がっておらず、困っている方も多いので、ここから一覧でご紹介したいと思います。

1)NPO/NGO

NPO(Non-Profit Organization=非営利組織)は、利益を目的とせず社会貢献を目的とした団体です。

NPOが取り組むテーマは子ども、環境、地域活性などさまざまで、NPO法上では20分野が定められています。
特に、国際協力や環境問題に取り組む団体をNGO(Non-Governmental Organization=非政府組織)と呼ぶことが多いです。

活動内容も幅広いので、自分が関心のあるテーマや共感できるミッションを掲げている団体を選ぶことで、非常にやりがいを持てる社会貢献ができます。

データ出典:NPOにかかわる若者の働き方と仕事観(第一生命経済研究所)より一部抜粋して作成

2)社会的企業

社会的企業とは、会社という形態でありつつも、社会課題の解決や社会貢献を目的としている企業のことです。

社会課題の解決と収益の両方を実現するビジネスモデルを構築し、それに賛同する社員が集まることで社会貢献の企業風土ができています。
たとえば、ユーグレナ(環境・食糧)、ヘラルボニー(障がい分野)、すららネット(教育)など、さまざまな分野の企業が活躍していますし、さまざまな社会的企業を有するボーダーレス・ジャパンもあります。

3)一般企業のCSR/サステナビリティ

一般企業の中でも、特に大手企業では社会貢献をかなり意識しています。
社員のボランティアやNPOへの寄付活動など、社会貢献活動を企業として実施しています。

また、近年は企業の本業ビジネスも社会にとって適切であることが重視され、サステナビリティ推進と呼ばれます。
たとえば、ビジネスにおいて環境や社会に配慮すること、社内のダイバーシティやガバナンスを推進することに取り組んでいます。

このような一般企業の部署で働くという選択肢もありますし、それらを支援する周辺ビジネスもあります(コンサルティング会社、金融機関など)。

4)起業(ソーシャルベンチャーなど)

NPO/NGO、または社会的企業などを自分で起業するという方法もあります。
もちろん、法人を立ち上げる「起業」もありますが、自分が勤めている会社で社内起業を志すこともできます。

その他、社会貢献的な事業を行うフリーランス(または副業)という道もあります。
たとえば、Webデザインやマーケティングなどのスキルを活かし、NPOなどを顧客として個人事業を行う方もいます。

5)非営利団体(NPO/NGO以外)

NPOは狭義では「NPO法人」のことですが、広義ではより広い非営利団体のことを指します。

たとえば、社団法人や福祉法人の他、学校や病院なども含まれるため、比較的イメージしやすいかもしれません。
看護師や教員など資格が必要なものが多く、社会の教育や福祉、医療の分野を支える仕事です。

6)行政・公務員

一部、5)の非営利団体と重複しますが、行政などで働く公務員も社会貢献性の高い仕事と言えます。
また、独立行政法人国際機関などの組織もあります。

「社会貢献」の種類とそれにまつわる仕事例

一言に「社会貢献」といっても、いろいろな種類があります。
NPO法上の社会貢献分野からいくつか紹介します。
仕事例はほんの一部であり、実際にはさまざまな働き方があります。

保健、医療または福祉の増進

人々の健康や福祉をサポートしたり、そのための社会基盤を整えたりする活動などが目的です。
具体的な仕事例としては、障がい者や親と暮らせない子どもなどへの支援をする福祉施設での専門職や、医療が整っていない地域・場面での医療提供を行うNGO職員などです。

まちづくり、観光

地域活性化や地方創生を進める活動です。
仕事例としては、地域の活性化を担う自治体職員や、地域の魅力を発信したり商品やプロジェクトを作ったりする企業やNPO職員などがあるでしょう。

環境の保全

気候変動や資源循環、森林保全などを目的とした活動です。
官公庁や金融機関などで気候変動や環境保全の部署、またはプロジェクト、メーカーでの省電力化や循環型商品を担うサステナビリティ部署、開発部署での仕事などが挙げられます。

人権の擁護又は平和の推進

差別解消や、社会的少数者の方などの支援活動です。
たとえば、LGBTQに関する啓発や、女性活躍を支援するNPO・国際NGOで働き、少数民族の支援を行うプロジェクトを担うことで活動に参加できます。

社会貢献活動の種類についてはこちらから全部見られます。
(参考)特定非営利活動(NPO法人)制度の概要

自分に向いている働き方を考える

組織風土や働き方は、種類ごとよりも団体ごとの違いの方が大きいため、気になった企業・団体を一つひとつ見ていくことが大切です。
とはいえ、ある程度の傾向はあるので、ここで見ておきましょう!

高い社会貢献で新しいことにチャレンジしたい方は「NPO」「社会的企業」

NPOや社会的企業は、一般企業に比べて比較的規模が小さく、自ら提案したり、事業の立ち上げや拡大を担ったりできる可能性が高く、チャレンジしやすいと言えます。

  • ミッションなどに共感できるNPOや社会的企業に就職する
  • 自分自身でNPOや社会的企業を設立する

安定した将来と給料を求めるなら「一般企業」「大手非営利団体」「公務員」

先がなかなか見えづらい時代ですが、公務員や資格系の仕事、大企業など、ある程度伝統的な職種だと、安定性とともに給料も比較的高いものが多いです。

  • 公務員や資格系(医師、看護師など)
  • 大企業のCSRやサステナビリティ担当、上場企業の社会的企業(ユーグレナ、リタリコなど)
  • 非営利団体の中でも大手団体(公益財団、国際NGO、国際機関など)

やりがいと収入の安定をバランスよく考えたいなら「本業を続けながら」

NPOや社会的企業に飛び込むことは勇気がいるかもしれません。
まずは今の仕事を続けつつ、できることを考えてみるのもおすすめです。

  • 公務員や企業に勤めつつ、プロボノや副業でNPO活動に関わる
  • 企業に勤めていても、本来の仕事とは別にチャリティプロジェクトに有志で手を挙げて参加する
  • 現在の仕事で出来ることを提案する(ペーパーレスを進める、環境に優しい商品を作る、寄付つきの商品を作る、社内のダイバーシティを推進する)
  • フリーランスとして企業向けの仕事をしつつ、一部NPOやサステナビリティ関連の仕事も業務委託で受ける(Webデザイン、マーケティング、ライターなど)

筆者が経験した「社会貢献」で働いた参考事例

私自身、国際NGO企業CSR/サステナビリティの経験があるので、いくつか働き方をご紹介します。
NGOでは、震災の復興支援として現地NPOのサポート活動をしていました。
さまざまなNPOへ助成金事業や研修事業をすることで、間接的に被災地の復興支援を行う仕事です。
また、その後転職し、企業のCSR活動として社員のボランティア活動推進やダイバーシティ推進、NPOとの連携事業などを行いました。

所属先 分野 働き方
ベンチャー企業 人材育成分野 プロボノとして週末などに社会貢献活動に参加
国際的なNGO 東日本大震災の復興支援 フルタイムの職員として働く
大手金融機関 CSR推進、ダイバーシティ推進 社会貢献がメイン業務であるCSR担当の正社員として働く
社会起業/フリーランス 子ども支援 独立して、いくつかの仕事を業務委託として受けつつ、子ども支援の社会貢献活動。

どちらも、プロジェクトの企画・提案から、調整、関係者とのコミュニケーション、実行までさまざまなことを行いました。
自分が重要だと考えるテーマに知恵を絞り、周りの人たちと協力して活動を遂行していく楽しさがありました。

「社会貢献ができる仕事」と一言で言っても、非常にたくさんあります。
私のように、キャリアの中でいくつかの関わり方をする人もたくさんいます。
やってみないと分からないこともありますので、まずは今できることを探してみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
牛堂 望美

人材系のベンチャー企業、国際NGOセーブ・ザ・チルドレン・ジャパン、金融機関でのCSR/サステナビリティ担当などを経験。NPOを支援する中間支援業務に携わり、多くのNPOと接してきました。NPOと企業の両方での社会貢献業務の経験も活かして、社会貢献を仕事にしたい方への情報発信やご相談にものってきました。社会貢献を仕事にしたい方たちへ、多様な関わり方があること、自分に合った関わり方があることをお伝えしたいと思っています。

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