正式名称は「NPO = 非営利組織」と「NGO = 非政府組織」
言葉の意味は、
- NPO:Non Profit Organization(非営利組織)
- NGO:Non Governmental Organization(非政府組織)
となっており、それぞれ略称です。
NPOは国内、NGOは海外の支援活動と区別されることが多いが・・
NPOは読んで字のごとく、「営利を目的としない社会的な活動を行う団体」です。
一方でNGOは、「政府などと別に作られた民間の団体」という意味があります。
ですので両者はどちらかに分類されるワケではなく、並存する言葉です。
一つ例を挙げてみましょう。
世界各地で発生する災害や紛争によって命の危険にさらされている人々を、中立的な立場で迅速な医療を届ける「国境なき医師団」という団体があります。
彼らは国際的に活躍しているNGOですが、日本支部の正式名称は「認定NPO法人国境なき医師団日本」と言います。
NGOで、且つNPOでもあるのです。
日常的なシーンでは、
- NGO:国際的な活動を広く展開している団体
- NPO:日本国内で教育や福祉などに貢献している団体
と使い分けることが多いです。
しかし、この使い分けも厳密には正確ではありません。
本来その言葉が持つ意味から考えると、NPOでありNGOでもある団体がほとんどです。
共通点はどちらも”社会を良くする民間団体”であること
NPOもNGOも、
- 解決すべき課題に取り組んだり
- 地域にある困りごとを引け受けたり
- 後世まで残したい自然や文化財を保護したり
といった「公益に資する活動を行う民間団体である」という点は共通しています。
一般的には「ボランティア団体」と称されることも多いですが、働き方はさまざま。
無償で働くボランティアもいれば、有償で営利企業と同様に団体から雇用されてお給料をもらいながら働く職員もいます。
非営利団体とは、お金を稼いではいけないという意味ではなく、稼いだお金を出資者に分配してはいけないという意味ですので、正当な給与(報酬)を受け取ることは何ら問題ありません。
次は、NPOとNGOの具体的な活動内容について見てみましょう。
仕事内容は大きく別けて「現場」と「バックオフィス」の2つ
引き続き例として、先ほどご紹介した「国境なき医師団」で考えてみます。
彼らの仕事内容は、
- 被災地や紛争地で怪我をした人に医療を施すスタッフ
- 1.を実現するために物流や資金をサポートするスタッフ
の2つに大別されます。
(ホントはもっと細かく仕事内容が分かれていますが、説明を簡単にするためにざっくり2つとしています)
「受益者と直接接する業務」と「円滑に支援を届けるための業務」とも言い換えられます。
その団体が取り組む社会問題に対して、それぞれに解決アプローチがあり、団体に従事するスタッフ間で役割分担をしています。
NPOやNGOは、社会を良くするプロ集団と言えるでしょう。
まとめ:NPO/NGOで働けば、ボランティアが”仕事”になる
おさらいすると、
- NPOとNGOは言葉の意味は違うものの、NPOでありNGOでもあることが多い
- その仕事内容は、社会を良くするコトで、働き方/関わり方は多種多様
NPOやNGOで働くと、確かに営利企業で働くより給与水準は下がりますが、ダイレクトに社会の役に立っているという得がたい実感があります。
少し前までは無償のボランティアでしか関われなかったようなことも、人々の理解とともに、NPOでも待遇や環境の改善がかなり進められています。
NPOが違和感なくキャリアの選択肢に入る未来は、すぐそこまで来ていると言っても過言ではありません。
「NPOとNGOの違いってなんだ?」というちょっとした疑問をきっかけに、少しでもその活動内容やキャリアに興味を持っていただけたら嬉しいです。