NPOだってキャリアの選択肢!有償で働く
有償の仕事を通じて、NPOと関わる方法を4つご紹介します。
内部スタッフとして雇用される
正職員
「NPOで働く」と聞いたときに、まず最初に上がる選択肢ではないでしょうか。
NPO業界への転職を検討している方のなかには、「いったん転職したら一般企業には戻ってこれないのではないか」という不安をお持ちの方も多いことと思います。
しかし、社会課題と真剣に向き合った経験は、キャリア形成の面でも無駄にはなりません。
企業の採用担当者から見ても、いろんな視点を持っている人材を採りたいはずです。
NPOでの勤務経験がマイナス評価になることは少なくなっているのではないでしょうか。
NPO業界の給与水準については、こちらの記事にまとめていますので、併せてご参考になさってください。
(参考)NPOの給料はどこから出る?決め方や平均年収、仕組みを5分でチェック
副業
副業的に週1〜3日などで、内部スタッフとして働くという方法もあります。
本業を続けながら、副業でNPOに関わることで、
- 同じ課題意識を持っている仲間ができる
- 本業とのシナジー効果が生まれる
- 単純に収入増が見込める
などといったメリットがあります。
雇用するNPOとしても、正職員ひとりを採用するよりリスクを抑えて労働力を調達できるので、喜んでもらえることが多いです。
NPOで副業する際の、本業の就業規則などについて、こちらの記事にまとめていますので、併せてご参考になさってください。
(参考)NPOで副業するには?報酬の有無による規定や、求人の見つけ方
外部から、NPOの活動を支援する
フリーランス
持ち前のスキルや経験を活かし、フリーランスとしてNPOと協働するのもよいでしょう。
案件や成果次第では、NPOの内部スタッフとして働くよりも、収入水準は高くなります。
複数のNPOと関係を持つことで、たくさんの人と一緒に仕事をすることも可能です。
実際にNPO向けのフリーランスとして独立した体験談もありますので、併せてご参考になさってください。
(参考)NPOに転職してスキルって身につくの?初心者からWEBマーケ等を学びフリーランスで独立した話
支援会社
NPOの活動を支援する企業で働くことで、NPOに関わることもできます。
たとえば株式会社STYZは、Syncable(シンカブル)というファンドレイジング・プラットフォームを運営、NPOの資金調達を支援しています。
STYZのミッションは、『民間から多種多様な社会保障を行き渡らせる』こと。
社会にオルタナティブなお金を生み出す「Syncable(シンカブル)」や、ジャーナリストへの直接投資で報道を変える「Unveil(アンヴェール)」等のサービスを運営しています。
お金や情報を発掘し、適切なところへ届ける。
そうすることで、新たな社会保障が生まれてくると信じています。
Our Mission
「熱い想いを持って、社会課題の最前線で尽力しているNPOスタッフを応援したい」
そんな方に、ぴったりの働き方ではないでしょうか。
私にできることから始めたい!無償で関わる
ボランティアなど、無償でNPOと関わる方法を3つご紹介します。
理事や監事として、長期的に関わる
団体の役員として、長い目で活動を見守るのもよいでしょう。
NPO法人を設立するためには、理事は3名以上、監事は1名以上、合計4名以上の役員が必要になります。
また理事の3分の2以上は、無給で理事職に従事することが義務付けられていて、理事と監事を兼任することはできません。
これまでに培ってきた知見や経験に基づくアドバイスができれば、NPOのスタッフの方々にも喜んでもらえることと思います。
インターンとして3ヶ月〜1年間、働く
大学生なら長期休暇や休学制度を利用して、社会人ならキャリアの中継ぎとして、NPOでインターンをするのもよいでしょう。
私も社会人3年目に、あるNPOの社会人インターンとして、1年弱働いた経験があります。
それまで一般企業でしか働いたことのなかった私にとって、NPOで働く日々はとても新鮮で、学びの多い時間を過ごさせていただきました。
「インターン=学生がやるもの」とイメージがあるかと思いますが、NPOで社会人がインターンをするのは、キャリアパスとしても大変有効であると実体験とともに感じています。
(参考)NPOでインターンするには?大学生が短期から始められる募集をチェック
週末などで、ボランティアに参加する
ボランティアには、大きく以下の2種類があります。
- 時間を提供する「ボランティア」
- スキルを提供する「プロボノ」
一般的に想像されるような簡単な事務作業や、被災地での復興支援など、実際に自分の体を動かして活動に参加するのがボランティアです。
一方、本業で得た知識やスキルを活かして、マーケティングや経理など専門的にNPOの活動をバックアップするのはプロボノと呼ばれます。
どちらもできる範囲で、無理なく活動に参加できるのが魅力です。
ボランティアの具体的な受け入れ先は、こちらの記事もご参考になさってください。
(参考)NPOでボランティアするには?大学生や社会人向け、募集の選び方3つ
NPOで働くと給料は減る?デメリットと対策
NPOで働き始めると、転職する前よりも、お給料は減ってしまうことが多いです。
NPO業界への転職を考えていた際、
- ファンドレイジング業務に関心はあるけど、職務経験がない・・
- どの団体なら自分が活躍できるのかが、分からない・・
- 一般企業からの転職だから、収入面が不安・・
といった悩みを、私も抱えていました。
この記事を読んでくださっているあなたが、もしNPO業界への転職を検討されていたら、似た思いを抱かれたことがあるかもしれません。
私の経験から、対策をいくつか紹介します。
対策1:無駄な支出を抑えて、家計を改善する
「まずはNPOでも無理なく働けるように、家計の改善をしよう」と思い立ちました。
家計簿で日々のお金の動きを記録し、無駄な支出がないかを確認したところ、自分が思っている以上に余計な出費が嵩んでいたことがわかりました。
自分に最適な支出レベルを知ることで、無理に収入アップを狙い続ける転職活動をする必要もなくなります。
私の場合、20代前半の時期に、自分のお金を管理する習慣付けができ、これは今も役に立っています。
対策2:転職先NPOとの働き方を工夫する
転職を希望するNPOとの働き方は、なにも「正職員」だけではありません。
たとえば業務委託として契約し、「週●時間の就業に対して、月■万円の報酬を支払う」といった形で関わることも(転職先の団体次第ですが)可能です。
関わり方に濃淡を付けられるのがNPO業界でキャリアを描く醍醐味と、個人的に感じています。
あなたの働き方と団体の求めている働き方を擦り合わせ続けるのは、入職する前も、入職した後も、非常に重要です。
対策3:ファンドレイジングだけにこだわらない
ファンドレイザーとしての収入のみで生計を立てることにこだわりすぎないのも重要なポイントです。
あなたが社会に対して提供できる価値は、何もファンドレイジングだけではないはずです。
- 文章を書くのが得意なら、ライティング
- グラフィックを作るのが得意なら、デザイン
- 人前で話すのが得意なら、営業
といった具合に、自分にできることは何か、という視点でスキルや経験を棚卸しできると今まで全く選択肢になかった視点が得られるかもしれません。
そういったスキルと掛け合わせて、本業としていきたいファンドレイジング業務に活かせると良いかと思います。
ここまでNPOでの働き方・関わり方と、実際に転職する前に知っておきたいポイントをご紹介させていただきました。
あなたに合う”働き方”は見つかりましたでしょうか。
繰り返しになりますが、自分の生き方に合った関わり方をデザインできるのが、NPOで働くことの良さと個人的に実感しています。
NPO業界への転職を検討されている方のお役に立てていれば幸いです。