”NPOで副業”は会社に認められる?就業規則をチェック
そもそもNPOで副業することが、会社の人に認められるのか。
「公務員」と「一般的なサラリーマン」で確認してみましょう。
国家公務員の場合:許可が下りればOK
内閣府HPによると、以下のような条件下において非営利団体との兼業は可能とのこと。
利害関係の有無・在職する機関と兼業先に利害関係がないこと兼業先・非営利団体の目的が公務の信用を傷つけるおそれがないこと
・非営利団体として活動実績があること
・非営利団体やその役員が刑事事件で起訴されていたり、業務停止命令等の不利益処分を受けていないこと(過去2年間)兼業する事業・事務・経営上の責任者ではないこと
・兼業する事業・事務が公務の信用を傷つけるおそれがないこと
(出典:内閣府HP)
表の通り、副業を検討しているような団体であれば、ほとんどの場合でクリアできる条件ではないでしょうか。
あとは上長の許可が下りれば、特に問題はないかと思います。
事前に共有し、納得してもらえるよう、充分な説明を行いましょう。
サラリーマンの場合:勤め先の規則による
一般企業のサラリーマンの場合、勤め先の就業規則に準じる形になります。
無償で関わるボランティアであれば特に問題ないかと思いますが、会社によっては禁止事項となっている可能性もあるため、事前に確認しておくようにしましょう。
また、有償の場合も同様で、
- 本業との競業や利益相反が起きないか?
- NPOに従事する時間はどれくらいか?
- それによって発生する報酬見込みは?
など、きちんと確認しておき、心置きなく副業できるように環境を整えましょう。
報酬は支払われる?有償・無償それぞれの関わり方
NPOとの雇用関係について、報酬の有無で確認してみます。
有償でNPOと関わる
この場合、NPOと業務委託契約を交わすのが一般的と思います。
報酬の設計については、たとえば以下のような形が考えられます。
- 業務時間:(例)週●時間以上の勤務に、月●万円を支払う
- 成果報酬:(例)獲得した寄付収入から、●%を支払う
- 案件単位:(例)ITツールの導入、特定の企画など
団体の事情によっても変わると思いますので、双方にとってよりよい協働関係となるよう、入念な打ち合わせが必要です。
無償でNPOと関わる
無償でコミットする場合には、たとえば以下のような関わり方があります。
- ボランティア:週末など、比較的に簡単な作業に従事する
- プロボノ:本業で培ったスキルを活かした支援を行う
- 理事:役員の一人として、活動を中長期的に支える
ほかにもボランティアとして参加してくださった方を指揮するボランティアマネージャーや、NPOの正会員として議決権をもつなど、多様な関わり方があります。
有償か無償かは線引きとして分かり易いですが、費用の有無にとどまらずライフスタイルや受け入れ先の希望に合わせて、柔軟に関わり方を変えられることが魅力と思います。
NPOで副業することの、メリットやデメリットは?
「事前に良いところも悪いところも、併せて知っておきたい」
そんな方のために、メリット・デメリットを整理してみました。
メリット:価値観を共有できる仲間ができる
特定の社会課題に問題意識を持っている仲間とともに、一つの仕事を進めていくのは、本業とはまた違った楽しさがあることと思います。
また、この他にも、
- 限られた時間のなかで、本業・副業両方の成果を上げる意識ができる
- 今まで触れる機会のなかった知識・経験・スキルが身につく
などといったメリットがあります。
NPOで副業をすれば、業界を超えた人付き合いも可能になり、副業する前にはまったく予想できなかった出会いがあるかもしれません。
デメリット:時間配分のバランスが大変
やらなければいけないことが増えるので、過重労働になってしまう可能性もあるでしょう。
ただでさえ本業の仕事で疲れているのに、週末を副業に使うのは、体力的に難しい場面があるかもしれません。
また子育て中であったり、親の介護をしなければいけなかったりなど、家庭とのバランスも重要です。
副業を始めることで、今まで以上に非効率な場面が増える可能性もありますし、本業が疎かになってしまっては元も子もありません。
予めコミットする時間や業務を決めておき、それ以上はゆき過ぎないようにするなど、副業を始める際に自分なりの対策が必要となります。
具体的な受け入れ先は?自分に合ったNPOの見つけ方
では、実際にどのようなNPOが副業の受け入れを行なっているのでしょうか。
NPOの正職員やボランティアの人材募集なら、こちらの記事でご紹介したような求人媒体もあります。
(参考)ファンドレイザー・NPOで働くのにおすすめの求人媒体を5分でチェック
しかし、「副業」となるとなかなか情報が集まらないかもしれません。
そこで、まずはボランティアや寄付などで、直接に接点を持つことをおすすめします。
私もフリーランスとして複数の団体さんとお仕事をさせていただいていますが、ほとんどは元々ボランティアとして無償で関わらせていただいたところからご縁が始まっています。
もちろんニーズのある団体がすぐ見つかれば、それに越したことはありません。
しかしボランティアや副業など、関わり方に濃淡をつけられることがNPOを通じてキャリアを描く面白さと、実体験とともに感じています。
ここまで、NPOで副業をする際のポイントを解説させていただきました。
あなたが自分らしく輝ける働き方ができることを祈っています。