NPOの主な収入源は4種類!
NPO法人の収入源は多岐にわたりますが、おおまかに以下の4つがあります。
一般的に「NPOのファンドレイジング」と言うと、寄付金や会費を集めることを指す場合が多いです。
しかし効果的なファンドレイジングを実現するには、寄付金以外の事業収入や助成金なども含めた、複合的な戦略を練る必要があります。
たとえば「助成金や補助金を得ている間に、中・長期的に安定する事業収入や会費の獲得を図る」といった計画を立てるなど、事業と財源の両方を意識した計画の策定が肝要です。
NPO法人格ごとに財源の割合をチェック
平成29年度の調査によると、全体的には「事業収入」が最も大きな財源とのこと。
NPO法人の財源には主に会費、寄附金、補助金・助成金、事業収入があり、特定非営利活動事業に関する収益の財源別構造収益の内訳をみると、認定・特例認定法人では「寄附金」(15.9%)が「事業収益」(67.9%)に次ぐ重要な財源となっています。
(出典:内閣府HP)
もちろんこの割合は、活動分野ごとに差があります。
たとえば国際協力の分野で活動するNPOなら、途上国の貧困層から直接収益を上げるのは難しく、日本国内の支援者から寄付や会費を募って支援を届けるケースが多いです。
また保育や福祉の分野なら、実際のサービス利用者から得た収益が大きくなる傾向にあります。
上記に挙げたようなケースでは、実際にどのような団体があるのでしょうか?
実際の事例を見てみましょう。
効果的な資金調達は?実際の事例2つ
国際協力と福祉の分野で、それぞれご紹介します。
安定的な寄付収入を獲得「プラン・インターナショナル・ジャパン」
公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパンは、途上国の子ども(特に女の子)の教育支援や、紛争地域の緊急支援などを行なっている国際NGOです。
途上国の子どもと手紙などでやり取りしながら、毎月の寄付で支援するプラン・スポンサーは3万人以上。
ガールズ・プロジェクトやグローバル・プロジェクトといった使途指定のあるマンスリーサポーターも、それぞれ1万人以上います。
こうした毎月定額で寄付をいただく収入で、財源全体の7割以上を占めています。
プラン・スポンサーシップでは、子どもや住民が主体となり、教育・生計向上・子どもの保護など、あらゆる分野の活動を総合的に解決する「面」の支援を行っています。
スポンサー(支援者)には、チャイルドと手紙などで交流しながら、活動を継続的に支えていただいています。
(出典:プランHP)
定額支援者による寄付は、収入の見通しが立ちやすいです。団体の財務基盤も安定しているように思えます。
病児保育などの社会的事業を展開「フローレンス」
認定NPO法人フローレンスは、訪問型病児保育や障害児保育、ひとり親家庭支援、赤ちゃん縁組事業などのさまざまな事業を通じて、日本の親子を取り巻く問題の解決を目指す団体です。
フローレンスは、保育サービスの提供がメインの収入となっており、営業収益で全体の財源の8割以上を占めています。
NPOは寄付者や会員に利益を分配することを禁止されているだけであって、利益を上げることが禁止されているわけではありません。
私たちは社会課題解決のために、その利益を次年度以降の投資に使っていきます。
(中略)フローレンスはサービス提供による事業収益をメインの収益としているため、持続可能性の高い事業運営を行えています。
(出典:フローレンスHP)
事業収入以外にも、2億円以上の寄付収入があります。
財源のバランスが整っているので経営も安定しやすく、ミッションの実現に資する活動にち注力しているように思えました。
ここまで、NPOの財源の種類と割合、ファンドレイジングの実際の事例について解説しました。自団体のファンドレイジング戦略を策定する参考として、お役に立てていれば幸いです。