既存のつながりを可視化しよう
NPOがクラウドファンディングの目標を達成する上で、最も重要なポイントは以下2点です。
- ドナーレンジチャート等を策定し、既存寄付者のリスト化や寄付金額の可視化を行う
- 目標金額の8割を、どの既存寄付者等が支援してくれそうか?をシュミレーションする
クラウドファンディングを行う場合、新規の支援者獲得を期待される方が多いかもしれませんが、過半数~8割程度は既存のつながりの人が支援する傾向があるようです。
また、達成金額の内訳を分析すると、大口寄付者の貢献度が高くなる傾向がみられます。
例:100万円の支援を達成したプロジェクトの内訳
80万円大口寄付者10人で構成、20万円を10,000円以下の寄付者40人で構成される
上記を勘案すると、
- ある程度の年数、活動を行っている
- NPOを知ってもらった人に適切な活動報告等を行い、活動に対して信頼を得ている
そういったNPO程、クラウドファンディングの目標達成がしやすいと言えるでしょう。
プロジェクト開始1週間で達成率20%を目指そう
プロジェクト開始直後のスタートダッシュで、どれだけ支援を集められるか、というのも非常に重要な要因になります。
開始5日で達成率20%のプロジェクトの約9割は、最終目標を達成しているというデータ(レディーフォー調べ)があり、スタートダッシュの大切さが良く分かります。
https://readyfor.jp/sapuris/1
私が伴走した約750万円を達成したプロジェクトも、スタートダッシュには力を入れ、以下のような事を実践しています。
プロジェクト開始前から動く
プロジェクト開始前に、支援の確約が得られている金額が大きい程、安心してプロジェクトに取り組めます。
スタートダッシュの大切さを明確に伝える
大口の寄付をしてくれそうな人には、「スタートダッシュが重要なので、支援可能な場合は、開始したらできるだけ早く支援して欲しい」
ことを明確に伝えましょう。
「あなたが団体にとって大切な人なので、支援してもらえたら嬉しい」
「プロジェクト達成したら、活動の発展が期待できる」
上記を併せて伝える事で、支援してもらえる可能性を上げることができるかもしれません。
できるだけ個別に依頼する
どのように依頼されるかによって、支援可否は変わってくるものです。
対面、手紙、SNSの個別メッセージ、メール配信等、個別に依頼する手段は様々ですが、大きな支援が期待できる人程、個別依頼を徹底してください。
中盤も継続的にプロジェクトへの流入を増やす工夫をしよう
クラウドファンディングはプロジェクト開始時と終了時に最も支援を得やすい特徴がありますが、中盤も継続的にプロジェクトを知ってもらえるよう、仕掛ける事も重要な要因となります。
以下で、中盤を盛り上げるための施策について、いくつかご紹介します。
思いを盛り込んだSNSの投稿でシェアやページ訪問者を増やす
- プロジェクトを応援者してくれた人のコメント
- プロジェクトメンバーの紹介
- プロジェクト達成の進捗状況
- 代表の動画メッセージ
などのコンテンツを継続的に発信することで、プロジェクトページへの流入を増やしたり、一度支援してくれた人の増額が期待する事ができます。
どのタイミングで、どんなコンテンツを発信するのか?全体像を予め把握して、計画的に発信していくことで、効率的な運営が可能になるので、覚えておいてください。
プレスリリースを出す
メディアに掲載され、クラウドファンディングを紹介いただく機会をつくることができれば、新規の方からの支援が期待できる状況になり得ます。
(プロジェクト中盤だけに限らずどの期間に置いても)
メディア掲載される最も効率的な手段は、プレスリリースを発行し、対外に発信することです。
メディア関係者に対して、A4で1、2枚程度の分量で、クラウドファンディングの内容をまとめてみましょう。
プレスリリースが記者の興味を引いた場合、メディアに掲載される可能性があります。
- 希少性
- 公共性
- 時事性
等を意識し、プレスリリースの内容を作成することで、掲載の可能性は高まりますので、留意して下さい。
なお、過去掲載されたメディアの記者をリスト化して、メール配信できるような体制ができていれば、掲載される確度が高まるので、覚えて置いて下さい。
NPOは、セールスフォースやkintoneなどのCRM(DRM)が無償や格安で使えるため、そういったツールで過去メディア掲載者が分かるようにしておくのが重要です。
支援の意思があり決済未完了者へのリマインドを徹底しよう
クラウドファンディングに限らず、NPOがファンドレイジング等を行う場合、全てに共通するのですが、
共感<手間
という方式があります。
みなさんも、寄付してもいいかなと思ったことがあっても、決済しないまま、結局寄付をしなかったという経験はありませんか?
クラウドファンディングを行う場合でも、支援しても良いと思っても、手続きが煩雑であったりして、すぐに支援をしてくれない人が一定数存在しています。
そういった人がどれだけいるのか?を把握した上で、先方の負担にならない程度に、リマインドするというのも、地道ですが重要な作業になってきます。
- 「支援する」と言ってくれたのに支援してくれなかった場合、数週間空けて個別メッセージ等でリマインドを行う
- 手続きの時間を確保しやすい週末のタイミングにリマインドを図る
- プロジェクトの終了間際に再度依頼をしてみる
そういった作業を地道に実践する事で、結果は確実に変わってきますので、頑張って下さい!
まとめ
クラウドファンディングをこうすれば達成できるという、決まりはありませんが、ここだけは押さえて欲しいというポイントをまとめてみました。
なお、クラウドファンディング達成は、あくまで通過点にしか過ぎず、プロジェクト達成後にどう活動を継続するか、という点がNPOの真価として問われます。
支援への感謝を忘れず、支援者と共に長い道のりを歩んで行くという気概を忘れないでください。
みなさんがクラウドファンディングを達成される事を願っています。