ファンドレイジングの方法は?定番から”知る人ぞ知る”手法まで7選

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「ファンドレイジングにはどんな方法があるの?」「自団体の寄付を、効果的に集めたい!」そんな方へ向けて、オーソドックスな手法から実は有効なものまで、7つご紹介します。

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目次

方法1:既存の支援者に、メールで寄付をお願いする

明日から取り入れられる手法のひとつに、これまでに支援してくださった方への活動報告と併せて、メールで寄付を依頼するという方法があります。

普段の業務が忙しいと、なかなか活動報告にまで手が回りにくいもの。
だからこそ「月刊〇〇(団体名)」・「季刊誌」といった形で一斉送信するなど、既存の支援者とのコミュニケーションを業務の一つとして組み込んでしまいたいですね。

支援者の立場からしたら、お礼や感謝の言葉は複数回もらっても悪い気はしないはずです。
実際の文例は、こちらの記事もご参考になさってください。

(参考)寄付のお願いの仕方は?読み手の心に響く手紙・メールの文例3選

方法2:経営者のアポを取り、大口の寄付を依頼する

法人による寄付、もしくは経営者個人による寄付を依頼することで、大口の寄付を見込むことができます。

まずは地域のロータリークラブなど、地元の名士が集まるようなコミュニティに連絡を取るのがおすすめです。
電話番号やメールアドレスなども、HP上に公開されていることがほとんどです。
彼らの輪に入ることができれば、個別にアポイントをお願いしてもよいでしょう。

経営者は税金に対する感度が高いので、もし自団体への寄付が寄付金控除の対象になる場合は、それも併せてアピールしましょう。

実際に寄付をいただいた後は、自団体のHPで支援企業の社名とロゴを掲載したり、経営者に「なぜ寄付を決めてくださったのか」といった支援者インタビューを発信するなどのアフターフォローも、社会貢献を意識されている経営者には有効だと思います。

方法3:FacebookやTwitterなどのSNSで、寄付を募る

Facebook、Twitter、Instagram、YouTube、LINE…、さまざまなSNSで団体の広報用にアカウントを作り、活動報告や寄付のお願いを発信するのもよいでしょう。
プラットフォーム選びに重要な視点として、主に以下の2点が挙げられます。

  • どの年齢層に情報を届けたいのか?
  • 自団体とプラットフォームの雰囲気がマッチするか?

たとえばFacebookは比較的に年齢層が高く、ビジネスのシーンでもよく使われています。
一方でTwitterは若年層による利用が多く、情報が拡散されるスピードが速いです。

どのSNSにも一長一短があり、どの層へどんな情報を届けたいのかによって、使い分けられるとベストです。

単に団体への寄付をお願いするのも良いでしょうし、仮に活動に協賛してくれる企業がいれば、社名を掲載のうえで1シェアにつき100円の寄付をお願いするといったSNS上のキャンペーンを打つことも検討できます。

方法4:クラウドファンディングを企画する

特定のプロジェクトのために必要な資金であれば、クラウドファンディングを利用して寄付を集めるのも有効です。

クラウドファンディングとは、活動に共感してくれた人や、団体を応援してくれている人からインターネットを通じて資金を募る仕組みのことです。

企画を立ち上げる際は、まず支援見込み者リストを作成しましょう。
団体と関係の近い人に企画のリリース前からクラウドファンディングを始めることを伝えておき、リリースと同時に”支援”と”情報拡散”をいただけるよう、事前の根回しが肝要です。

プロジェクト終了間際も、リリース直後と同様に寄付が集まりやすい傾向にあるので、途中で諦めずに寄付をお願いし続けましょう。

インターネットで寄付を募ると聞くと効率的なイメージを持たれがちですが、企画を成功させる団体ほど、実は見えないところで泥臭く寄付をお願いしています。

クラウドファンディングのプラットフォーム選びは、こちらの記事もご参考になさってください。

(参考)クラウドファンディング比較!購入型や寄付型など目的別サイト3選

方法5:自団体にマッチする助成金を申請する

「今すぐ団体の運転資金がほしい」といったファンドレイジング担当者は、助成金の申請に注力するのも手だと思います。

たとえば、企業のCSRレポートを無料請求できる「エコホットライン」というサイトが助成金申請に便利です。

エコホットラインHP

電子版はページをめくりながら雑誌のような感覚で、CSRレポートを閲覧できます。
実際のレポートを請求することもでき、4〜5日程度で手元に届きます。
自団体の活動と親和性の高い企業を探してみると良いかもしれません。

逆に、助成金のデメリットとしては、以下のような可能性が想定できます。

  • 申請や報告などにかかる事務コストが膨大になってしまう
  • 資金使途が限定されることで、方針転換が困難になってしまう
  • 助成金が打ち切りになると途端に資金繰りが厳しくなってしまう

こうしたリスクを踏まえたうえで助成金を検討される場合は、企業の助成金以外にも、地方自治体による助成金もさまざまですので、併せてチェックされてみてください。

方法6:毎月の寄付(マンスリーサポーター)を依頼する

マンスリーサポーターとは、銀行口座やクレジットカードから毎月引き落としで寄付してくださる支援者のこと。

月500円や1,000円といった少額から申し込めるのが一般的で、以下のようなメリットから多くの非営利団体に取り入れられている手法です。

  • 資金使途が限定されず、活動の自由度が上がる
  • 継続的に支援していただくことで、財源が安定する
  • 募金活動費を削減でき、本来の活動に資源を割ける

支援者としても、団体が対峙している社会課題をともに解決する”仲間感”が得られやすいといった効果があります。

もちろん単発の寄付よりハードルは高くなりますし、注力してもすぐには集まらないなど大変さもありますが、活動を持続的にするファンドレイジング手法の一つと言えるでしょう。

方法7:遺贈寄付を受け入れていることを告知する

遺贈寄付とは、正確には”遺言による寄付”のことを指します。
が、広くは相続財産からの寄付や、お香典返しからの寄付など、個人の逝去にまつわる寄付の総称としても使われます。

不動産などの現物資産なども遺贈寄付として受け入れるのは不可能ではありません。
が、まずは現金のみの受け入れからスタートするのがおすすめです。

受け入れのファーストステップとしては、団体のHPで遺贈寄付を受け入れている旨をリリースする程度で充分です。
相談を受けた時に弁護士などの専門家にスムーズに連絡を取れるようにしておきましょう。

ファンドレイジング担当者の知識習得には、全国レガシーギフト協会の『遺贈寄付ハンドブック』が分かり易くまとまっていますので、一冊手元に置いておくと安心です。
余裕があれば、遺贈寄付見込み者向けのパンフレットを作成するのも良いでしょう。

ここまで、効果的なファンドレイジングの方法を7つ解説させていただきました。
「ファンドレイジングについて打ち合わせる、次のミーティングで提案してみようかな」
そんな風に感じていただけたら嬉しく思います。

この記事を書いた人
鈴木 大悟
準認定ファンドレイザー

この世界のお金の流れを良くしたいという想いがあり、証券会社からNPOに転職しました。 現在はフリーランスのファンドレイザーとして活動しています。 NPOで働く楽しさを知っていただくことで、一人でも多くの方にキャリアの多様な選択肢を届けたい、そんな願いを込めて記事を書いています。

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